
オリジナルブランドを立ち上げる際、最も重要かつ悩ましいのが「ベースとなるTシャツ選び」です。
厚み(オンス)だけでなく、糸の質や縫製仕様によって、製品の「格」や「ターゲット層」は大きく変わります。今回は、アパレル製造の現場視点から、後悔しないボディ選びのポイントを詳しく解説します。
1. 「生地の厚み」を定義する要素:オンスと糸番手
生地の厚み(oz:オンス)
一般的に厚みを表す「オンス」は、面積あたりの重量を指します。
- しっかり感(6オンス以上): 透けにくく、一枚で主役になる「ヘビーウェイト」。
- 標準(5.6オンス): 日本の市場で最もスタンダードな厚み。
- 薄手(4オンス以下): インナー用途や、軽やかさを重視するレディース向け。
糸番手(単糸・双糸)
厚みに直結するのが「糸の太さ(番手)」です。
- 番手の数字: 数字が小さいほど太く(重厚)、大きいほど細く(繊細)なります。
- 単糸 vs 双糸: * 単糸(16/1など): 1本の糸で編まれ、ラフでカジュアルな質感。
- 双糸(32/2など): 2本の糸を撚り合わせるため、型崩れ(斜行)が少なく、光沢と張りのある高級な仕上がりになります。
2. 「肌触りと風合い」を決める:紡績と加工
糸をどう作るか(紡績)によって、Tシャツのキャラクターは決まります。
| 糸の種類 | 特徴とメリット | ターゲットスタイル |
| オープンエンド(空紡糸) | 繊維の間に空気を含み、吸湿速乾に優れる。ザラッとしたワイルドな肌触り。 | アメカジ、ストリート、タフさ重視 |
| カード糸 | 一般的な綿糸。適度な毛羽立ちがあり、コストパフォーマンスに優れる。 | プロモーション用、低コスト商品 |
| コーマ糸 | 短い繊維を取り除き、長い繊維だけで構成。光沢があり、滑らかで高級感がある。 | ハイエンド、綺麗めファッション |
| リングスパン糸 | 糸の目が細かく、洗濯に強い。しわになりにくく滑らかな着心地。 | デイリーウェア、品質重視 |
3. 「耐久性と見た目」を左右する:縫製仕様
細部のステッチや構造が、ブランドの「こだわり」を語ります。
- 脇の仕様(丸胴 vs 横割り):
- 丸胴(チューブ): 脇に縫い目がないため着心地が良く、コストも抑えられますが、洗濯時のねじれ(斜行)が起きやすい側面も。
- 横割り: 脇を縫い合わせるため、シルエットを微調整しやすく、プリント位置も安定します。
- 首周り(リブ vs バインダー):
- リブ衿: 伸縮性が高く、着脱がスムーズ。
- バインダー衿: ボディの生地を巻き込んで縫うため、首周りが伸びにくく、ヴィンテージな雰囲気が出ます。
- ダブルステッチ: 首周りや袖口を2本の針で縫製。強度が上がり、型崩れを防ぐ日本市場のスタンダードです。
4. 比較データ:オンス別の透け感と質感
オンスや糸番手が同じでも、糸の質(コーマ糸か空紡糸か)や加工によって、実際の透け感や見た目の重厚感は大きく異なります。
【画像資料:Tシャツスペック別比較】
以下の画像では、主要なオンス・番手ごとの「透け感」と「生地感」の差異をまとめています。











- 左:4.0oz(薄手) – インナーのシルエットが目立ちやすい。
- 中:5.6oz(標準) – バランスが良く、淡色でなければ透けにくい。
- 右:7.0oz(極厚) – 透け感ゼロ。武骨で重厚なシルエットを形成。
まとめ:あなたのブランドに最適な一枚を
デザインが「アメリカンカジュアル」なら空紡糸の6オンス以上、繊細な「グラフィックブランド」ならコーマ糸の5.6オンス。
弊社では、三浦商事、キャブ、トムス、フェリックといった国内主要メーカーのボディー卸販売も承っております。「どのボディーが自分のデザインに合うか分からない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。専門知識を活かし、あなたのブランドを成功に導く最適な一着をご提案いたします。

