オリジナルのTシャツを作りたい時に、どのTシャツを使うのか?こだわりが強い場合には、どのメーカーの商品を選べば良いのか、お困りの方は多いのではないでしょうか?
弊社からでもTシャツやスウェット関連などの仕入れは可能ですが、現在お付き合いのあるメーカー様が有ると存じますので、専門的な事もなるべくわかりやすく解説致します。
購入を検討される際に、ご参考になれば幸いです。
無地Tシャツ選びのポイント (綿)
Tシャツを構成するポイントとして挙げられるのが、
- 生地の厚み (oz オンス)
- 糸番手 (単糸 双糸) (16番〜40番糸)
- 糸の加工 (シルケット加工) (ウォッシュ加工) (エンザイム加工)
- 糸の質・紡績 (オープンエンド 空紡糸) (カード糸) (コーマ糸) (例外 セミコーマ糸)
- 縫製 (首周り 袖口 裾) 伸び止めテープ バインダー
- カラー (カラーバリエーションの種類)
上記がTシャツを構成する主な要素で、スウェット関連もほぼ同じ内容になります。
生地の厚み (oz オンス)
生地の厚みについてですが、基本的にはオンスで表示されている事が、小売 卸売も含め多いと存じます。オンスは単純にTシャツの重さを表現しておりますが、生地の厚みと思って頂いても問題ないかと存じます。
専門的には生地目付けと言いまして、1平方メートル(㎡)の重量(g グラム)を表します。しかしながら海外でも共通する表現として(oz オンス)を現在日本でも多く取り入れられています。
生地の厚みに直接干渉する内容は、どのような要素で構成されるのか?
直接的に干渉するのは「糸の太さ」糸番手になります。糸番手につきましては、糸の太さ=糸番手と思って頂いても構いません。
糸番手 (単糸 双糸) (16番〜40番糸)
生地の厚み (oz オンス)にて糸番手=厚みとご説明させて頂きましたが、しかしながら糸番手だけでは判断出来ない事も有り、単糸か双糸かで重量も大きく変わります。
単糸は1本の糸を使用し編まれている。
双糸は2本の糸を撚り、1本の糸として編まれている。
と思って頂いて構いません。故に単糸と双糸では、同じ糸番手でも重量と厚みが大きく異なる(単純計算で倍)事がわかります。
厚い生地が良い場合は、糸番手が太い物・もしくは双糸を使用している物を選ぶと間違いないです。
単糸と双糸の違いは大きく、双糸の方が高価とされています。
表示は16/1(16番単糸) 32/2(32番双糸)となり、16/1と32/2は同じ糸の太さと思って頂いても構いません。
双糸は単糸に比べ、洗濯時の型崩れ(斜行)が少なく生地に張りがあります。生地を引っ張って伸ばすと、単糸は簡単にスムーズに伸びますが、双糸は張りが有り伸びにくい訳ではなく、しなやかに伸びます。
糸番手は数字が少ないほど太く、数字が多いほど細い。Tシャツには主に16番単糸〜40番双糸が利用されています。
糸の加工 (シルケット加工) (ウォッシュ加工) (エンザイム加工)
糸の加工につきましては、生地の厚みに対しての干渉は糸番手程ではありませんが影響があります
糸が加工されている場合、同じ糸番手でも生地の厚みや重さに影響します。
シルケット加工、別名「マーセライズ加工」は薬品(苛性ソーダ水溶液)に糸を浸す加工ですが、そもそも糸番手は綿糸その物ですので、こういった加工で、糸の毛羽などが抜け落ち、同じ糸番手でも薄くなる事が多いです。ウォッシュ加工は生地や糸をバイオウォッシュや水洗いをします。
洗濯をイメージして頂ければ分かり易いですが、生地の抜けが洗濯機のごみ取りポケットに集まります。それと同じ原理だと思って頂いても構いません。
糸の質・紡績 (カード糸) (コーマ糸) (オープンエンド) (リングスパン)
綿糸にはグレードが存在し、毛足(繊維)の長いものが高級とされています。毛足が短いものは毛羽が目立ち、光沢感が有りません。しかしながら、好みやファッションスタイルによって価値観が違いますので、良し悪しは糸の質に依存したマーケットでは有りません。
一般的には、空紡糸→カード糸→コーマ糸の順で原材料は高価です。
リングスパン糸
ロープを作るように綿を撚って紡績された糸で、糸の目が細く滑らかな着心地が特徴です。洗濯にも強く、しわにもなりにくいという特徴があります。
オープンエンド糸
空気の流れる力を使って繊維を撚り合う構造になっており、繊維の中に空気が多く含まれています。吸湿性が高く速乾性に優れているという特徴があります。また、ワイルドな肌触りがあり、生地にも重厚感が出ます。Tシャツの本場アメリカでは、オープンエンド糸を使用したTシャツが多く、そのラフ・タフさが好まれています。
オープンエンド(空紡糸)であってもアメリカっぽい雰囲気が良いならそれが一番ですし、USAコットンやギザコットン、新疆綿、等のブランド糸も存在しますので、ご自身の作成する商品にマッチした物を選ぶ方が良いでしょう。
縫製 (首周り 袖口 脇) 縫製糸番手 衿テープ バインダー
Tシャツの縫製はどれも同じの様に思えますが、首周りやリブ付きの長袖Tシャツの袖口などに違いがあります。
首周り 袖口 シングルステッチ ダブルステッチ
Tシャツを購入する際に、シングルステッチ ダブルステッチの記載が有りますが、基本的にはネックラインのリブを縫製している箇所を指します。日本では主にダブルステッチがスタンダードです。
シングルステッチ画像
ダブルステッチ画像
Tシャツの脇部分
Tシャツには、脇の部分を縫製しているか、チューブ状の見頃なのか?の違いがあります。
一般的にコスト(原価)が安いのはチューブ状のボディーで、その理由は縫製する必要がなく、生地のロスや、縫い代分の生地が必要ないからです。
特徴として、チューブボディーの方が、洗濯時などに斜行しやすく、プリントする場合に中央線がとりにくく作業に少し難がある場合があります。
縫製糸番手
縫製する糸番手(ステッチ)にも違いがあります。主にはステッチ1本の距離と糸の太さです。こちらを字こだわる方は少数派だと思いますが、ステッチには綿糸や混合糸の違いもあります。染色の兼ね合いでホワイトの生地には綿糸が使われる事が多いです。
袖口 裾周りのステッチ幅
袖口から二本針縫製の距離に違いがあります。気にする方は少ないと思いますが、厳密には違いがあります。こちらは見た目に影響するために、弊社は重視した方が良いと考えます。
衿リブ バインダー
Tシャツの衿縫製は主に2種類となります。リブ衿か、バインダー衿か?ですが、リブ幅 バインダー幅は見た目に影響するために、重要なポイントになります。
また、ブランドネーム が付いている後ろ衿部分に、通称 衿テープが存在します。この衿テープは肩の縫製まで達し、伸び留めテープとしても活用されています。
バインダー衿の場合、衿テープの有無とクォリティーを確認しましょう。
カラー (カラーバリエーションの種類)
カラーについては基本的には、どのようなデザインを作成するのか?によって決める事を推奨いたします。各メーカーのカラーバリエーションは異なり、アイテムによってはカラーバリエーションの多い無地ボディや逆に少ない無地ボディーも存在します。
例えば、ご自身の作成されるデザインがアメリカンカジュアルの場合は、ネイビーよりも、インディゴネイビーのカラーがあるボディを推奨致します。
ストリート系のデザインの場合は、ハッキリとした色目(ソリッドカラー)レッドやブルーなどのバリエーションがあった方が良いでしょう。
ヴィンテージデザインの場合は、後染め加工(オーバーダイ)のピグメントボディーを選ぶと良いと思います。
オンスの違いと生地の厚みについての画像は、現在準備中です。
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